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 ドイツのメルケル首相は20日、トルコのエルドアン大統領に対し、「(現在のドイツを)ナチスと比較するのはやめるべきだ」と強く抗議した。安倍晋三首相との共同会見の冒頭で語った。

 トルコは4月に憲法改正のための国民投票を予定しており、政治家らが二重国籍を持つドイツのトルコ系住民に支持を訴えて回っている。しかし、一部の自治体が治安を理由に演説を中止。DPA通信によると、立腹したエルドアン氏が19日、メルケル氏を指して「ナチスの手法を使っている」などと批判した。表現の自由を著しく制限したナチス時代と比較した発言とみられる。

 一部の自治体が中止した背景には、トルコの政治的な対立をドイツ国内に持ち込まれることへの懸念があるとみられる。メルケル氏はこれまで、ドイツの法律と秩序を守ることを条件に国内での演説を認めるべきだとの考えを示してきたが、この日の会見では「ナチスの犠牲者に配慮することなく、タブーを破るのを座視できない。必要ならあらゆる措置をとる」と語り、方針を転換する可能性があることを示した。(ハノーバー〈ドイツ中部〉=高野弦)