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 がん細胞の増殖に関わるたんぱく質の一つ「Amigo(アミーゴ)2」が転移に果たす役割を、岡田太・鳥取大医学部教授(実験病理学)の研究グループが解明した。医薬品開発などを通じて、転移の予防などが期待されるという。岡田教授らが鳥大医学部付属病院(米子市)で発表した。

 岡田教授によると、がん患者の死因の約9割は転移が占めるが、詳細な仕組みは不明だった。研究グループは、最もがん細胞の転移が起きやすい肝臓を利用して、転移を決める特定の遺伝子やたんぱく質の存在を明らかにしようと考えた。

 マウスを使った実験で脾臓(ひぞう)にがん細胞を移植。そこから肝臓に転移したがん細胞を取り出し、再び別のマウスに移植した。これを1年半にわたって12回繰り返し、その際、がん細胞のアミーゴ2を増やすと、肝臓への転移が通常の3倍以上に増えた。減らすと3分の1に減ったという。

 アミーゴ2は肝臓の血管の内側に接着しやすい性質があり、一連の実験から、転移はアミーゴ2を伴ったがん細胞によって引き起こされると推測。がんが肝臓に転移した大腸がんと胃がんの患者について、がん組織を調べたところ、肝臓のがん組織に含まれるアミーゴ2は元のがん組織よりも多いことがわかった。

 岡田教授は「肝臓への転移予防薬を開発して生存率を高めたい」と話した。アミーゴ2に対抗する物質の特定を進めているという。

 今回の研究成果は、英国のオンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で8日に公開された。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(杉山匡史)