皇太子ご夫妻の長女愛子さま(15)が22日、3年間通った学習院女子中等科(東京都新宿区)を卒業した。宮内庁は、愛子さまが卒業の記念文集に寄せた作文を公開。作文には、修学旅行で広島市を訪れ、核兵器のない世の中の実現を願う思いがつづられた。

 22日午前、愛子さまは皇太子ご夫妻とともに卒業式に出席。正門前で記念撮影に応じ、報道陣が「おめでとうございます」などと声をかけると、愛子さまは「ありがとうございます」「先生方とお友達に恵まれて、楽しい3年間をすごすことができました」とはにかんだ表情でこたえた。4月には学習院女子高等科に進学する予定。

 公開された作文の題は「世界の平和を願って」。自身の意識が大きく変わった出来事として、中等科3年の5月に修学旅行で広島市を訪れ、原爆ドームを前に「被害にあった人々の苦しみ、無念さが伝わってきた」という。平和記念資料館の展示を見て、原爆が何十万人もの命を奪ったことに「怒りと悲しみを覚えた」と述べた。

 また、米国のオバマ前大統領が、自身で折った2羽の折り鶴を同資料館に置いていった出来事に加え、愛子さまが友人らと皆で折ってつなげた千羽鶴を手向けたことを紹介。多くの折り鶴を見て「皆の思いは一つであることに改めて気づかされた」と感想をつづった。

 そのうえで「唯一の被爆国に生まれた私たち日本人は、自分の目で見て、感じたことを世界に広く発信していく必要がある」と強調。「いつか、そう遠くない将来に、核兵器のない世の中が実現し、広島の『平和の灯』の灯が消されることを心から願っている」と締めくくった。

 愛子さまは皇太子ご夫妻とともに毎年、原爆投下の日に黙禱(もくとう)している。愛子さまの平和への思いについては、皇后さまが81歳の誕生日に先だって回答した文書の中でも言及していた。愛子さまと話している際、原爆被害を受けた広島の女子学生たちが自分たちで電車を動かしたという新聞記事が話題になったとし、皇后さまは「愛子もあの記事を記憶していたのだと胸を打たれました」と紹介した。(多田晃子、島康彦