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 ――学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長は午後2時31分、衆院の証人喚問に向けて国会内の控室に入った。

 証人喚問は午後2時50分、浜田靖一予算委員長の説明から始まった。籠池氏は宣誓と署名、押印。

 その後の午後2時56分、葉梨康弘氏(自民)が尋問に立った。午前中の参院での証人喚問から引き続き、安倍晋三首相の昭恵夫人から受け取ったと籠池氏が主張している100万円の寄付の話題になった。

 葉梨氏 100万円の寄付は、昭恵夫人と1対1の場で受け取ったのは間違いないか。

 籠池氏 間違いない。

 葉梨氏 当時2人、昭恵夫人付き職員がいた。2人は離れていないと話している。あとで2人にしっかり確かめたい。また、10万円の謝礼と菓子箱を渡したのは間違いないか。

 籠池氏 たたみかけるように話して失礼な話だ。職員は人払いされてその現場にいなかった。私と昭恵夫人の2人の出来事であったと伝えておきたい。昭恵夫人は講演後、急いで帰られる用事があったので、「感謝」と書いた封筒に金子を入れて渡した。

 葉梨氏 お付きの職員含めて「差し上げていない」と言っているから、お付きの人に聞けばいいと言っている。逆に失礼だ。

 ――午後3時28分、野党議員らとの会合を経て、籠池氏が国会での証言に前向きになった経緯などについて、葉梨氏が尋問した。

 葉梨氏 国会で籠池さんが説明されることについて、国会議員から何らかの示唆はあったか。

 籠池氏 「参考人として私は出させてもらってもいいですか」と申し上げたことはある。

 葉梨氏 それは籠池さん側からか、議員側からか。どちらから言い出したのか。

 籠池氏 あうんの呼吸でということでしょうか。

 葉梨氏 籠池さんから積極的に是非出たいということではなくて、まさにあうんの呼吸で、「出てほしい」「出てもいいかな」と解釈していいか。

 籠池氏 おっしゃる通りです。

 ――午後3時31分、富田茂之氏(公明)が尋問を開始。富田氏は、森友学園の小学校認可申請が、自己所有の土地に校舎を建てるとした私学審議会の設置認可にかかわる審査基準を満たしていなかったと追及した。

 富田氏 籠池氏の申請は定期借地で、将来的に取得を目指していると。基準に合わない形で申請され、私学審議会で議論していた。どう思うか。

 籠池氏 朝日新聞を拝読して、そういうことだったのかというのが率直な気持ちだった。もしそのことが断定的にあるのであれば、私学審議会に申請書は出さなかっただろうし、このような結果にはなってなかっただろう。松井一郎・大阪府知事が担当者を処分をすると書かれていたが、処分するだけでいいのか。我々が「認可適当」をいただき、国有財産を収得させていただき、建設業者を任命して今に至ったわけだが、そんなことをしなくても良かったんじゃないかと強く思っている。

 富田氏 工事契約書が3通ある。業者とそういう話し合いをしたのか。

 籠池氏 刑事訴追を受ける可能性があるので答弁を控える。

 富田氏 国土交通省の補助金申請での書類記載の金額はどう決まったのか。

 籠池氏 刑事訴追の恐れがあるのでお答え出来ない。

 ――籠池氏は一連の問題を通じ、安倍首相や安倍政権の進める政策などに対する不満を持ったことについても、尋問の中で吐露した。

 籠池氏 私はもともと保守の考え方を持っている。私が支持していた保守の政党の方も、私に何かしてくれたかという問題ではなくて、このままでいくと憲法改正も当然できないだろうし、国民がだまされているのではないかと、国民の一人である私がもしかしたらだまされていたのではないかという風な思いに至った。

 ――午後3時55分、枝野幸男氏(民進)が尋問を始めた。籠池氏から昭恵夫人への依頼の経緯ややりとりしたファクスの内容について、掘り下げていった。籠池氏は持ってきたファクスの文面を詳細に読み上げた。

 枝野氏 ファクスを見ると、財務省本省に問い合わせをしたとの記述がある。

 籠池氏 ファクスをここに持っているが、「時間がかかり申し訳ありません。財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得た。大変恐縮だが、国側の事情もあり、現状ではご希望に添えないが、引き続き見守ってまいりたい。本件は昭恵夫人にもすでに報告している」ということ。ここには電話番号とファクス(番号)もあり、10年の定借の是非、50年定借への変更の可能性、土壌汚染や埋設物の撤去期間に関する資料の扱い、工事費の立て替え払いの予算化についても書いていただいている。「一般的には工事終了時に精算払いが基本であるが、森友学園と国交省航空局との調整にあたり、予算措置がつきしだい返金する旨の了解であったと承知している。平成27年度予算での措置ができなかった。平成28年度での予算措置を行う方向調整中」というものをいただいている。

 枝野氏 2015年11月に受け取っているのか。

 籠池氏 11月15日だ。

 枝野氏 ファクスは、籠池さんがいつ誰に対して問い合わせしたことへの答えなのか。

 籠池氏 私が昭恵夫人に電話し、昭恵夫人は海外出張だったろうと思うが、すぐに秘書に連絡をかけて、秘書から連絡があった。

 枝野氏 このファクスは秘書へのお願いや相談したことへの答えではなく、昭恵夫人にお願いしたことが秘書から回答があったということか。

 籠池氏 おっしゃる通りだ。

 ――枝野氏はこのやりとりについて「昭恵夫人本人が直接行動していないが、自分が頼まれたことについて(秘書役の)公務員にお願いをして回答がきたということ。安倍首相が言ったことと全然違う。本当に重い発言だ」と指摘した。

 そのうえで枝野氏はさらに、小学校の土地の売却価格を財務省が非公表とした経緯や、籠池氏が小学校の認可申請を取り下げた理由にも話を進めた。

 枝野氏 財務省は、森友学園側から非公表にしてくれと言ったと。

 籠池氏 国有地の売買は初めてで、公表、非公表ということがよくわからなかった。電話で連絡をもらい、どちらでもいいんじゃないのか、それだったら非公表にしてもらったらええんじゃないかな、という程度だ。

 枝野氏 小学校設立申請を急に取り下げた。

 籠池氏 一生懸命、今までやってきた。そして2月23日、安倍首相が私について「しつこい人だ」と発言した。そのあたりから、風向きが変やなと。学園に対する風向きがひどくなってきた。籠池の人間像も悪い奴だという方向でレッテルをはられる。公権力が我々に対し人権的な圧力をかけてきたんだなと思った。その矢先、弁護士から取り下げた方がいいとアドバイスされた。

 ――午後4時26分、尋問は再び昭恵夫人からの「寄付」をめぐるやりとりになった。真相をただす枝野氏に対し、籠池氏は「事実は小説より奇なり」と述べ、自らの主張の正しさを強調した。

 枝野氏 100万円の寄付の際、人払いしたのは誰か。

 籠池氏 昭恵夫人だ。

 枝野氏 昭恵夫人はその場で「黙ってて」と言ったのか。

 籠池氏 講演後、昭恵夫人が車で帰られた。私が見送りから戻って5~6分後、昭恵夫人から電話を頂いてそう言われた。内閣総理大臣の主人からとなると問題も多かろうと推察した。

 枝野氏 一部の評論家などから、100万円は籠池氏が講演料として昭恵夫人に渡そうとしたが夫人が断って、それを寄付にあてたものではないかと言われているが?

 籠池氏 事実は小説より奇なりだ。私が申し上げていることが正しい。

 ――尋問はさらに、稲田朋美防衛相との顧問弁護士契約の有無についての話題になった。

 枝野氏 稲田氏は「森友学園と顧問契約を結んでいたのは配偶者の夫だ」と言っている。

 籠池氏 稲田事務所と顧問契約をしているということは、(稲田氏を含む)その事務所に所属する弁護士と契約していると認識していた。

 枝野氏 顧問契約を結ぶ時に稲田夫妻の法律事務所に行ったと思うが、その時に対応したのは稲田氏の配偶者1人だったか、夫婦2人そろってだったか、稲田氏だったか。

 籠池氏 稲田朋美先生とご主人、もう一方の先生が一緒に対応していただいた。

 枝野氏 稲田氏の事務所で、夫だけではなくて朋美弁護士とも一緒に会っているのか。

 籠池氏 その通りだ。

 ――枝野氏に代わって午後4時33分、宮本岳志氏(共産)が尋問に立った。宮本氏は、籠池氏と政治家との関わりについて話を聞いた。

 宮本氏 (前参院議員の)北川イッセイさん、(現職参院議員の)柳本卓治さんにどのようなことをお願いしたのか。

 籠池氏 当時、北川さんは国土交通副大臣だったが、有害土地があり、私どもで取り除いた。その時1億3千万円かかったが、我々が立て替え払いすることになった。国は予算化しないといけないということだったので、「民間では、売り手がきれいにして、買い手が買うという形なのに、国の土地は買い手がきれいにして後でお金を払ってくれるというのはおかしいのでは。早くお金を返してください」という話をした。それですぐお返しいただいた。柳本先生については近畿財務局長に言葉がけをしていただいた。財務局の対応が敏捷(びんしょう)性がなかったので、「早く物事を進めてほしい」という話をした。

 ――この日最後に尋問に立ったのは午後4時45分からの下地幹郎氏(維新)。下地氏は籠池氏の一連の発言を厳しい口調で非難した。

 下地氏 大阪府が小学校を認可できない状況になっていることは、松井一郎・大阪府知事がはしごを外したのではない。あなた自らがはしごから落ちたんだ。事実がはっきりすれば、今日答弁したことがあなたにとっていかに人生にとって重い言葉になるかわかると思う。

 ――午後4時57分、証人喚問は終了した。