【動画】大阪府警の警察官が薬物使用が疑われた男を令状提示前に転倒させ、覆いかぶさるなどして制止する様子。被告側関係者から提供された
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 大阪地裁は24日、覚醒剤取締法違反(使用)の罪に問われた男性被告(55)に無罪(求刑懲役2年)を言い渡した。大阪府警の巡査長が採尿のための捜索差押令状を示さないまま、被告を押さえつけるなどした行為が適法かが争われていた。飯島健太郎裁判長は「任意捜査の限度を超えた逮捕行為というほかない」と述べ、制止行為を違法と判断した。

 判決によると、被告は昨年6月、大阪市内で覚醒剤を使用したとされる。被告も公判で使用を認めたが、覚醒剤の有無を調べる採尿にいたる経緯が問題となった。令状は発付されていたが現場に届いておらず、曽根崎署巡査長が提示をせずに、立ち去ろうとする被告を投げつけて首を絞めた。

 判決はこの制止行為を「非常に強度のもの」と指摘。巡査長の説明が「足が絡まって(被告が)こけた」から「足をかけて転倒させた」に変わった点にも触れ、「令状主義を軽視していると言わざるを得ない」とした。また、尿からは覚醒剤成分が検出されたが、「証拠能力を否定すべきだ」と結論づけた。

 弁護側は令状提示前の制止の違法性は重大で、その後の採尿も「違法な証拠収集」と無罪を主張。検察側は「実力行使は必要やむを得ない限度を超えていない」と反論していた。公判では被告側が撮った制止時の動画が証拠採用された。弁護人の秋田真志弁護士は「意義ある判決。警察はひどい暴力をふるい、うそもついていた」と話した。

 判決を受け、府警の宮田雅博・刑事総務課長は「指摘された点を踏まえて、今後の捜査にいかしたい」とのコメントを出した。