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 福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒がいじめを受け、不登校になった問題で、林文子市長は27日、「生徒と保護者の気持ちに寄り添い、その思いを十分に受け止めることができなかった」などと総括する報告書を取りまとめた。再発防止策としていじめに即応する態勢を整え、原発被害や被災者への理解を深める教育に取り組むとした。

 男子生徒は小学校時代、名前に「菌」を付けて呼ばれ、同級生らにゲーム代などとして多額のお金をおごらされた。報告書では「金銭問題が発生した時点で適切な教育的指導ができなかった」と反省点を挙げた。

 再発防止策は34項目。市教委に緊急対応チームを新設し、いじめに関する重大事態が疑われる場合には早期に職員を派遣。スクールソーシャルワーカーの役割を強め、学校側と児童相談所、警察などとの連携を強化する。子どもがSOSを発信しやすくするため、定期的にアンケートや面談を実施する仕組みも作る。

 原発事故の被災地や放射線への理解を深めるため、福島県教委の資料集を使った教育に取り組んでいくことや、教職員を福島県の施設へ研修派遣することも盛り込んだ。林市長は「実効性のあるものにする」と述べた。(大森浩司)