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 核兵器を法的に禁ずる「核兵器禁止条約」の交渉会議が27日、米ニューヨークの国連本部で始まった。日本政府代表で演説した高見沢将林軍縮大使は、「核兵器国の理解や関与が得られないことは明らかだ。残念ながら、交渉会議に建設的かつ誠実に参加することは困難」と述べ、交渉への不参加を宣言した。

 高見沢氏は、会議の序盤の各国の代表者による意見表明の場で、核軍縮と安全保障は切り離せないとの立場を表明。核保有国の参加が見込めないことから「実際に核保有国の核兵器が一つも減らなくては意味がない」「禁止条約がつくられたとしても、北朝鮮の脅威といった現実の安全保障問題の解決に結びつくとは思えない」などと批判を展開した。

 核保有国や「核の傘」の下にある国々のほとんどが会議をボイコットするなか、日本は急きょ出席して反対表明をした。一方、米国のヘイリー国連大使はこの日、英仏や韓国など約20カ国の代表とともに議場外で交渉を強く非難する会見を開いた。

 核兵器禁止条約は、甚大な非人道的影響を与える核兵器の使用や保有などを禁止することを目指す。禁止する範囲などの詳細については31日までの会期の前半で各国が意見を交わし、議長が5月までにたたき台となる条約案を示す見込みになっている。(ニューヨーク=松尾一郎、金成隆一

■外相「対立深め逆効果にも」

 岸田文雄外相は28日午前の閣議後会見で、核兵器禁止条約の交渉不参加を決めた理由について、核保有国が参加しなかったことを挙げて「核兵器国と非核兵器国の対立をいっそう深めるという意味で逆効果にもなりかねない」と釈明した。

 岸田氏は昨年10月の会見で「私としては交渉に積極的に参加し、唯一の被爆国として核兵器国、非核兵器国の協力を重視する立場から主張すべきことはしっかりと主張したい」と強調。だが、この日の会見では「(国連本部での)会議では我が国の主張をしっかり申し述べたが、受け入れられることは難しいと判断した」と説明し、「核兵器国と非核兵器国の協力を得ながら進めていく議論に貢献し、核兵器のない世界の実現のために努力を続けていきたい」と語った。(小林豪)