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 米ニューヨークの国連本部で始まった「核兵器禁止条約」の交渉会議で、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の藤森俊希・事務局次長(72)が27日、広島での被爆体験を語った。「同じ地獄をどの国の誰にも絶対に再現してはならない」と訴え、法的拘束力のある条約の成立への期待を語った。

 1歳だった藤森さんは、母に背負われているときに爆心地から約2・3キロの場所で被爆。目と鼻と口だけを出して包帯でぐるぐる巻きにされ、周囲が回復をあきらめかける状態になったという。藤森さんは「その私が奇跡的に生き延び、国連で核兵器廃絶を訴える。被爆者の使命を感じます」と力を込めた。

 藤森さんはまた、日本の被爆者が長年、国内外で訴えてきた「再び被爆者をつくるな」との願いが「条約に盛り込まれ、世界が核兵器廃絶へ力強く前進することを希望します」と語り、交渉参加国の外交官らに条約の成立と発効を訴えた。

 核保有国とともに日本政府が、交渉開始を定めた昨年の国連総会決議に反対したことにも言及。「被爆者で日本国民である私は、心が裂ける思いで本日を迎えた」とも話した。(ニューヨーク=金成隆一