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 歴史の大きな流れに翻弄(ほんろう)される純粋な青年の苦闘(と挫折)。安彦良和さんのマンガに何だか共通して見えてくるそんな骨格の「原点」は、弘前大学除籍に至った学生運動の経験ではないかと思っていたのですが、まさに人生のその部分に踏み込んだ著書「原点 THE ORIGIN――戦争を描く、人間を描く」が岩波書店から出版されました。

 安彦さんに長期取材した青森の地元紙「東奥日報」斉藤光政記者によるルポと、安彦さん自身による書き下ろし自伝を合わせた2段構成です。今回の本欄の眼目は刊行記念トークでの安彦さんのお話でありまして、それは例えば、かつてメインスタッフを務めた「ファーストガンダム」(ガンダムシリーズ第1作である1979年の「機動戦士ガンダム」)を100年残る作品にしようと、69歳のいまリメイクに取り組んでいる決意を述べたくだり。本書「原点」を読むとそれはまさに、「挫折から新たな闘いへ」というストーリーの連続だった安彦さんの人生の総決算というほかはありません。

 マンガ家になる夢を諦め、教師になろうと1966年に故郷・北海道から弘前大学へ。「ベトナム戦争反対」の正義に燃え学生運動に身を投じるも、教条的な民青同盟に嫌気が差して早々に脱退。安酒をあおり、精神科を受診し(診断は「正常」)、「左翼運動から落後した青年が精神を病み、犯罪を犯す」という暗い小説を投稿したが不採用。弘前全共闘のリーダーとなり組織を育てるも、大学本部占拠事件の責任を負わされ69年9月に逮捕、翌年除籍。

 この波乱の青春記の時代背景や…

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