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 ギャンブル依存症の患者は、リスクを避けるべき状況でも不要なリスクを取ってしまう傾向が強いことを、京都大の高橋英彦准教授(精神医学)らのグループが英専門誌に発表した。新たな治療法の開発につながると期待される。

 高橋さんらは、ギャンブル依存症と診断された男性患者21人と健康な男性29人に、ポイント獲得ゲームをしてもらった。患者は依存症の経験を互いに話して自らの行動を見直すなどの心理療法を受けている人と、未治療を含む。

 高得点だが当たる確率が低い「ハイリスク・ハイリターン」と、逆の「ローリスク・ローリターン」のどちらかを画面上で選ぶ実験を繰り返し、目標得点達成の難しさに応じてリスクの取り方に違いが出るか調べた。その結果、心理療法が6カ月未満と短い患者11人(未治療を含む)は、比較的易しく堅実にポイントを取れる局面でもハイリスク・ハイリターンを選ぶ率が42・5%だったのに対し、健康な人は32・5%にとどまり、差があった。治療期間6カ月以上の人は健康な人とあまり差がなかった。

 実験中に患者の脳の状態を機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)で調べると、治療期間が短い患者ほど、前頭葉の一部の活動が低下していた。高橋さんは「ギャンブル依存症患者は状況に応じて柔軟にリスク戦略を切り替える機能が弱まっており、正しい選択ができない状態と考えられる」としている。(西川迅)