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 兵庫県相生市教育委員会は、公共交通機関がない坪根地区から市立相生小学校に通う新入生1人の通学手段としてタクシーを導入し、10日朝から送迎が始まった。同地区で13年ぶりの新1年生となった竹内海君(6)が中学校を卒業するまで利用する予定。県教委の担当者は「通学にタクシーの導入は、けがなどによる利用を除いて聞いたことがない」と話す。

 坪根地区は、播磨灘に突き出た岬にある集落。養殖カキの産地だが市街地までは、発電所や造船所の裏山を通る一本道があるだけで、途中には普通車がやっと対向できる狭くて長いトンネルもある。道路事情が悪いことから1960年に就航した相生湾の連絡船「つぼね丸」が通学手段になっていたが、通学者がいなくなったため2013年3月に廃止された。

 市教委によると、通学バスの導入も検討したが、費用の面からタクシーを貸し切りにして利用することになった。通学タクシーは、坪根地区の集会所前から小学校近くのバス停付近まで約7キロを送迎。降りた後は、学校までの約500メートルを歩く。費用は市教委が全額負担する。

 自転車通学ができる中学校への進学後も、道路事情を考慮してタクシーを利用できるようにする。

 相生小学校は、ピークの1950年度に2119人も児童がいたが減少を続け、今年度は53人。うち7人が新1年生だ。

 真新しいランドセルを背負った竹内君はこの日、「算数をがんばる」と笑顔でタクシーに乗り込んだ。母親の由真さん(28)は「安全に通学できるので安心」と話した。(中村正夫)