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 沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事を支える政党や労組などが、「県民投票」の可能性を模索し始めた。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する民意を示すのが狙いだ。ただ、県内の市長は自民系が多く、自治体の協力が得られない可能性があり、ハードルは高い。

 知事を支える企業や労組、政党でつくる「オール沖縄会議」は11日、那覇市内で幹事会を開いて協議したが、結論は出なかった。

 オール沖縄が想定するのは、住民からの直接請求で県条例を制定する方法。有権者の50分の1以上の署名を集めて知事に出せば、知事が住民投票条例案を県議会に提出、議決を経て県民投票を実施する。数億円に上るとみられる予算措置や広報などの準備に時間がかかり、最短でも実施は秋以降になる見込み。

 翁長氏は国が工事を進めた場合、埋め立て承認の撤回に踏み切る方針を明言している。県幹部らによると、翁長氏は県民投票の実現に期待を示しており、4月上旬には知事周辺が労組幹部に「真剣に検討してほしい」と要請したという。

 しかし、現在の県内11市のうち9市の市長は「反翁長氏」。県民投票をするとしても、市町村が担う投票所の設置や開票作業などの協力を得られない恐れがある。照屋守之・自民県連会長は「県民投票は政治の役割の放棄」と反対姿勢を明言する。

 投票結果に法的拘束力はなく、米国との間で「辺野古が唯一の解決策」と確認している安倍政権が結果を受けて姿勢を変える可能性はほぼない。オール沖縄会議の関係者は「メリットもあるがリスクも大きく、もろ刃の剣だ」と話す。(山下龍一)