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 ゾンビがブームだ。ドラマや映画は、もはや定番。ゾンビイベントが人気を博し、芥川賞作家の小説まで登場した。なぜなのか?

 「やられるー」

 「怖い怖い、キャー」

 「東京ジョイポリス」(東京・お台場)の一室に、絶叫が響き渡る。ゴーグルを通して参加者が見ているのは、次々にゾンビが襲ってくるバーチャルリアリティー(VR、仮想現実)。休日は予約がほぼいっぱいになる人気だ。

 「特に女性は、絶叫する人が多い」と担当者。4年ほど前から、様々なゾンビ系のアトラクションを導入しているという。「人の形をしていて親近感がある。みんなで怖がるのが楽しいのかも」

 ゾンビは、中米などで信仰されるブードゥー教の儀式が起源と言われる。よみがえった死者が人を食べ、かまれた人もゾンビに。そんなゾンビ像は、ジョージ・A・ロメロ監督の米映画「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」(1968年)で定着したとされる。以来、欧州、中国、韓国など各地でゾンビ映画がつくられた。

 日本も発信源だ。96年発売のカプコンのゲーム「バイオハザード」は02年にハリウッド映画になり、これまで6作が公開。昨年上映された「アイアムアヒーロー」のように、ゾンビものの邦画も今や珍しくない。

 米ドラマ「ウォーキング・デッド」を日本で放送するFOXネットワークスの担当者は「極限状態の人間の心理が描かれている点が受けた」とみる。この番組を含め、多くの作品で、人間同士の生き残りをかけた争いが描かれる。「ハロウィーンでのゾンビ仮装も増え、ゾンビが登場するCMもある。完全に市民権を得た」

 芥川賞作家の羽田圭介さんは昨年11月、ゾンビがはびこる世界での作家たちのサバイバルを描いた小説「コンテクスト・オブ・ザ・デッド」を刊行した。これまで約50本のゾンビ映画を鑑賞したという。「終末世界ものの良さは、ちょっと謙虚になれること。好きな人は好きだけど、興味の無い人には伝わらない。純文学にもそういうところはある」

 ただ、ここ数年の急激なブーム…

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