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 防衛省は13日、航空自衛隊による緊急発進(スクランブル)が2016年度に1168回(前年度比295回増)あり、1958年にスクランブルを始めて以来、過去最多になったと発表した。中国機に対する発進が最も多く、851回(推定を含む。同280回増)だった。領空侵犯はなかった。

 スクランブルの回数が単年度で千回を超えたのは初めて。これまで最も多かったのは、旧ソ連軍機が頻繁に日本周辺に飛来していた、冷戦期の84年度に記録した944回。16年度、ロシア機に対するスクランブルは301回だった。

 防衛省によると、対象となった中国機は戦闘機や爆撃機、情報収集機が中心。中国軍は東シナ海での活動範囲を東方や南方に拡大しており、南西諸島に近い空域での活動が増えていることが、スクランブルの増加につながっているという。

 河野克俊統合幕僚長は13日の会見で「中国軍機は活動回数、活動範囲、活動時間が非常に増えている傾向にある。中国軍の近代化の趨勢(すうせい)を考えると、この傾向は続くと考えている」と話した。

 防衛省は、領空周辺に設けている防空識別圏(ADIZ)に、飛行計画を出していない不審な航空機が進入してきた際、領空侵犯を防ぐ目的で空自の戦闘機を緊急発進させている。(土居貴輝)