[PR]

 名古屋拘置所(名古屋市)に収容中の男性死刑囚が、自分で購入した食パンやのどあめの袋についている「懸賞応募券」を集めて郵送しようとして不許可となったほか、ネガフィルムの差し入れが認められず精神的苦痛を受けたとして、国に賠償を求めた裁判の控訴審判決が13日、名古屋高裁であった。

 藤山雅行裁判長は、拘置所の不許可は違法と認定。死刑囚の訴えを退けた一審・名古屋地裁判決を変更し、国に2万2500円の支払いを命じた。「応募期間が過ぎて応募券の意味がなくなり、精神的苦痛が生じたのは明らか」として、応募券1枚(パンは1点)あたりの慰謝料は500円とした。フィルムについての慰謝料は1万円。

 訴えていたのは、1998年の三重県松阪市のフィリピン人女性スナック従業員強盗殺人事件で、死刑判決が確定した森本(旧姓沢本)信之死刑囚。判決によると、死刑囚は2015年3~4月、応募券(あめ6枚と、食パンなど19点分)を親族に郵送しようとしたが、拘置所が不許可とした。また、知人が差し入れようとしたネガフィルムについて、拘置所は「書籍などに該当しない」として認めず、返送した。

 藤山裁判長は、応募券は死刑囚が自費購入した食パンなどと一体的な私物で、外部に交付できるものと判断。フィルムも透かして見ることができるため、書籍と同様に差し入れが認められるものと認定した。さらに、拘置所が過去に、この死刑囚が応募券を知人に郵送したり、プリントする写真を選ぶためにネガフィルムの差し入れを受けたりすることを認めてきたとも指摘した。

 拘置所は「判決内容を精査して関係機関と協議したうえで、適切に対応したい」とコメントした。