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 米ユナイテッド航空が搭乗済みの乗客を自社社員を乗せるために無理やり引きずり下ろした問題で、乗客の弁護士と娘が13日、シカゴで会見し、訴訟準備に入っていることを明らかにした。弁護士は同航空には乗客に無礼に接する社内文化があると指摘。こうした文化を変えていく必要があると訴えた。

 引きずり下ろされた乗客はデビッド・ダオ氏(69)で、娘によるとダオ氏はベトナムからの移民という。弁護士は「乗客を降ろすのに過剰な力や暴力を使うことは法的に許されない」と強調。ダオ氏は何の脅威でもなかったとし、「おそらく訴訟になるだろう。まだ準備が整っていない」と述べた。ダオ氏側は空港の映像など証拠を保全するよう裁判所に申し立てている。

 ダオ氏は引きずり下ろされる際、脳振盪(しんとう)を起こしたほか、鼻の骨折、前歯が折れるなどのけがを負ったという。弁護士は事件後、乗客や同航空の従業員や元従業員から多くの電話を受けたという。「我々は(客として)ふさわしい対応を受けてこなかった」とし、今回の騒ぎをきっかけにこうした社内文化の是正につながることを望むと述べた。

 ユナイテッド航空のムニョス最高経営責任者(CEO)は当初、従業員向けのメールでダオ氏の態度に問題があったなどとして対応を擁護していたが、批判が高まり、謝罪に追い込まれた。同航空はこの便に乗り合わせた乗客全員にチケット代金の補償を行うとしている。(ニューヨーク=鵜飼啓