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 高さ3メートル弱の格子状の金網が視界いっぱいに続いている。「危ないぞ」。近づこうとしたら、近くの住民に止められた。気付くと鉄塔に監視カメラがあり、銃を持つイスラエル兵と装甲車がすぐ近くにいた。壁や金網の総延長は450キロに及ぶ。

 ヨルダン川西岸のウムリハン村を訪ねた。ここでは、壁が村人の生活を強制的に寸断している。「まるで刑務所にいるようだ。壁のせいで人生が暗転した」。村で生まれ育ったアブドラ・ゼイドキラニさん(62)は話した。

 テロリスト侵入阻止の名目でイスラエルが建てる壁は分離壁と呼ばれる。同国と西岸地区の境界(グリーンライン)を越えて建設され、ウムリハンなど多くのパレスチナの村がイスラエル側に飛び地として取り残された。

 職場や学校、病院に通うのに遠回りを強いられ、最寄りの検問は夜間に閉鎖される。西岸の親族や友人が村に来るのは難しい。壁ができた後、村では20歳以上の独身女性が増えた。逆にイスラエル側に壁はないが、市民権を持たないパレスチナ人は立ち入れない。

 壁の建設は2002年に始まった。国際司法裁判所が国際法違反だと勧告した04年以降も続き、総延長は「ベルリンの壁」の3倍近くになった。人種を分離する21世紀最大の壁と言われる。

 建設の狙いはテロ対策だけでな…

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