朝日新聞所蔵の10万枚以上の皇室写真からえりすぐりを紹介する「皇室写真館」は、戦後60年にあたる2005年6月、サイパンへの慰霊の旅を特集します。

 サイパンは戦時中、日米両軍が激戦を繰り広げ、民間人を含む多くの犠牲者を出しました。天皇陛下は羽田空港での出発行事で「亡くなった日本人は5万5千人に及び、その中には子供を含む1万2千人の一般の人々がありました」「いたいけな幼児を含む900人を超える島民が戦闘の犠牲となったことも決して忘れてはならないと思います」と話しました。空港では皇太子さま、小泉純一郎首相(当時)が見送りました。

 サイパンに到着後、沿道には現地の若者たちが日の丸、星条旗、北マリアナ政府自治旗を手に出迎えました。宿舎の前の海岸では、マリアナ戦友会の代表が激戦の様子を語りました。砂浜に伏せ、射撃を避けた様子を再現する男性の話に、両陛下はじっと耳を傾けました。

 追い詰められた日本人が身を投じた断崖である通称スーサイド・クリフを訪れ、海を見つめる姿。マリアナ記念碑に供花・黙禱(もくとう)をする後ろ姿。現地のお年寄りと笑顔で言葉を交わす皇后さま。歴史的な訪問となった両陛下の様子を印象的な写真とともに詳報します。