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 筑豊を拠点に活動する記録作家、林えいだいさん(83)が1968年に出版したデビュー作の写真集「これが公害だ」を復刻した。当時住んでいた北九州工業地帯の公害をカメラとペンで記録し、告発した。経済成長が優先され、いのちが脅かされる社会。それは昔話か? 収められた約140点の写真は、半世紀近くを経た私たちにも問いかけている。

 林さんは62年、北九州市(当時は戸畑市)の社会教育課に入り、生まれ育った香春町から移り住んだ。空は煙に覆われてかすみ、窓を閉めていても部屋がすすでいっぱいに。子どもたちは咳(せき)を始めた。

 北九州では当時、立ち並ぶ煙突の吐き出す煙が「七色の煙」と呼ばれ、繁栄のバロメーターとして誇らしげに語られていた。人々はのどや目を痛め、「咳がはじまると苦しくて死にたくなります」「家族全員、しじゅう病院に」「医療費がかさむので、赤字つづき」と嘆きつつ、「工場のおかげで私たちは生活しているのだ」と、あきらめ顔で語った。

 その様子に林さんは憤った。担…

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