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 日本人ら72人が127日間にわたって左翼ゲリラに拘束されたペルー日本大使公邸人質事件が軍の武力突入で解決してから、22日で20年を迎える。首都リマの大統領官邸で19日、作戦に参加した元特殊部隊員らにクチンスキー大統領が勲章を授与した。官邸によると、大統領から元特殊部隊員に正式に感謝の意が示されたのは初めて。

 武力突入を巡っては、「投降したゲリラも処刑された」との指摘があり、軍幹部らに対する裁判に発展。軍や元特殊部隊員の間には不満がくすぶる。今回の叙勲は、20年の節目を機に、武力突入の成功を評価する政府の立場を改めて強調した形だ。

 式典でクチンスキー大統領は「武力突入の成功によってペルーはテロを制圧できた」と評価。「あなたたちは72人の人質を解放しただけでなく、(テロによる)恐怖の人質となっていたペルー国民を救った」と称賛した。ゲリラの処刑問題を巡る裁判にも触れ、「20年も裁判が続いていてはいけない。もう終わりにしよう」とも語った。

 事件は1996年12月17日夜に発生。左翼ゲリラのトゥパク・アマル革命運動(MRTA)が、天皇誕生日のレセプション中だったリマの日本大使公邸を襲撃し、青木盛久大使(当時)や各国要人らを人質に取った。翌年4月22日に軍が突入。人質1人と特殊部隊員2人が死亡したが、71人の人質が解放された。ゲリラは14人全員が射殺された。

 式典には、軍幹部や元人質らが一堂に会した。元海軍幹部として、事件時に人質の身ながら突入作戦に関わったジャンピエトリ元副大統領は式典後、「人質はいつ殺されるかわからない極限状態だった。20年経った今も、恐ろしくて眠れない夜がある」と語った。事件で人質となった元国家警察長官マルコ・ミヤシロ氏は「20年経って私はまだこうして生きている。特殊部隊による作戦成功のおかげだ」と話した。(リマ=田村剛)