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 東日本大震災で、岩手県釜石市鵜住居(うのすまい)町にあった鵜住居地区防災センターに避難して津波にのまれて亡くなった犠牲者の2組の遺族が、市に計約1億8千万円の損害賠償を求めた訴訟で、盛岡地裁は21日、遺族側の請求を棄却する判決を言い渡した。

 同センターには、津波の避難場所と思い込んだ付近の住民が大勢逃げ込み、市の推計では162人が犠牲になったとされる。

 訴えていたのは、同センター隣の市立幼稚園の臨時職員だった女性(当時31)と、センター近くに住んでいた女性(同71)の遺族。

 同センターは、市指定の正式な避難場所ではなかったが、市は震災前の避難訓練で避難場所として使用することを認めていた。こうしたことから、遺族側は、「市は避難場所ではないと周知する義務を負っていたのに、住民の誤解を解く努力を怠っていた」などと主張していた。

 一方、市側は「広報などで正式な避難場所を周知しており、住民に誤解を与えていない」とし、「避難場所ではないとまで周知することは自治体に過度の負担を強いるもので、市の義務ではない」などと反論していた。(渡辺朔)