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 朝鮮半島近海へ向けて航行している米海軍の原子力空母カールビンソンと海上自衛隊の護衛艦が23日、西太平洋の海域で共同訓練を始めた。防衛省が同日、発表した。北朝鮮は25日に人民軍創建85周年を迎える。日米両政府は、この日に合わせて北朝鮮が核実験や弾道ミサイルの発射に踏み切る可能性があるとみており、共同訓練で北朝鮮を強く牽制(けんせい)する狙いがある。

 政府関係者によると、米海軍の空母カールビンソンと巡洋艦、駆逐艦の計3隻は23日午前、フィリピン東方の西太平洋で海自護衛艦「あしがら」「さみだれ」の2隻と合流した。訓練は数日間の予定で、日本近海へ向けて東シナ海を北上する。様々な陣形をとりながら、通信訓練などを実施する見通しだ。

 今回は、「日米間の戦術技能の向上」という訓練本来の目的以上に、共同で訓練したり一緒に部隊を展開したりすることで日米の連携と強い決意を内外に示し、相手国との軍事的な緊張を緩和・抑止する狙いで実施された。「柔軟抑止選択肢(FDO=flexible deterrent options)」と呼ばれるもので、2015年に日米防衛協力のための指針(ガイドライン)が改定された際、新たに協力項目として盛り込まれた。安全保障関連法制とは別の枠組みだ。

 カールビンソンは当初、4月末に作戦行動を終えて米国に帰港する予定だった。今月8日にシンガポールから豪州に向けて出港した後、米太平洋軍のハリス司令官が行き先を変更し、朝鮮半島近海に展開するよう指示。その後、豪軍との共同演習に参加していた。防衛省は、カールビンソンの行き先変更の直後から、首相官邸の了承も得たうえで米軍側に共同訓練を打診。「日米間の『あうんの呼吸』で決まった」(日本政府関係者)という。調整のうえ、海自の護衛艦2隻が21日、佐世保基地(長崎県)を出港していた。

 海自の護衛艦は3月上旬、米韓合同軍事演習に参加するカールビンソンとバシー海峡(台湾―フィリピン間)の周辺で合流し、沖縄本島と宮古島の間を抜けて九州西方の海域まで航行する訓練をした。同月下旬にも、海自の護衛艦がカールビンソンと東シナ海で共同訓練をしている。(土居貴輝)

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