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 日本が支援し、パレスチナ経済の発展をめざすヨルダン川西岸エリコの「農産加工団地」が建設計画の発表から10周年を迎え、記念式典が23日、現地で行われた。出席した岸信夫・外務副大臣は「平和と繁栄を希求すれば、パレスチナがこの地域で誇れる国家を必ずや建設できる。団地はその一助となる」と述べた。

 日本政府は、ヨルダン川西岸とガザでパレスチナ人の暫定自治が始まった1993年以降、18億ドル(約1980億円)近い支援を実施。団地の開発は、日本とパレスチナ自治政府、イスラエル、ヨルダンが協力し、パレスチナ経済の発展をめざす日本主導の「平和と繁栄の回廊」構想の中核事業と位置づけられている。日本政府は約2千万ドル(約22億円)を拠出。総面積約112ヘクタール(東京ドーム24個分)の敷地で39社が入居契約を結び、6社が操業を始めている。

 「平和と繁栄の回廊」構想には、イスラエルとパレスチナの和平交渉が停滞する中、経済支援を通じて当事者間の信頼醸成に日本が一役買う狙いがあるが、米国が主導した和平交渉は14年に頓挫し、再開のめどが立っていない。

 岸氏は23日、地元産オリーブの葉やジャガイモを使った製品を生産する2社を視察。イスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のハムダラ首相とそれぞれ会談し、日本主導の取り組みに協力を求めた。(エリコ=渡辺丘)