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■問う「共謀罪」 作家・ドリアン助川さん(54)

 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案が国会で議論されている。政府は「テロ対策に必要」との立場だが、捜査当局による乱用や「表現の自由」などの侵害を危惧する声もある。

 米国同時多発テロで崩壊していく世界貿易センタービルを目撃したという作家のドリアン助川さんは、この法律をどう考えるか。

■かつて経験のない密告社会になっていくんじゃないか。

 政府は、この法律はテロ対策だと言う。東京五輪を前にテロへの不安が募るのは分からないでもないが、私は同時多発テロの時に米国に暮らしていて、その経験をふまえると、法律でテロを取り締まれるのか疑問だ。テロの根っこには憎しみがあるからで、そうした憎悪をつくらない社会が最大の抑止だと思う。

 いま米国が一部の国の人の入国を制限している。テロ対策だが、世界中に憎悪の種を振りまいていることを自覚しているからで、不安でならないのだろう。米国追随で日本がその流れに組み込まれることは怖い。憎悪が日本人に向くからだ。

 もう一点。私は作家だから、小説を書くにしろ歌をつくるにしろ、反権力的なものを当然つくるし、そんな文章を書くかもしれない。法律ができることで、その表現に対し、捜査機関の恣意(しい)的な判断を許してしまうことが怖い。国家転覆につながるかもしれないなどと判断されかねない。

 反権力的な発言やデモを企画すると捜査機関から何らかの取り調べを受けるのではないかという恐怖に加えて、人が何を考えているかを罪にすることができるようになると、密告が起きやすくなる。国民それぞれが密告しあう。「メールでこんなことを言っている。危ないんじゃないか」とだれかが通報して捜査機関が動く。本音を出さず、監視しあう。のっぺらぼうの顔をしてすれ違う。そんな社会は、憎悪もうむ。

 だから、この法律ができてもテ…

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