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 認知症になると、物忘れや判断力の低下に加え、妄想や徘徊(はいかい)など行動・心理症状(BPSD)が出る人もいる。こうした症状を減らすため、抗認知症薬や抗精神病薬などの精神機能に作用する「向精神薬」を服用する場合は副作用が出ないかを注意深く見守りつつ、薬とつきあっていくのが重要だ。

薬の効果、副作用見極めつつ 患者を見守り

 群馬県内の男性(82)は3年前、同県伊勢崎市の大井戸診療所(大澤誠理事長)でアルツハイマー型の認知症と診断された。以前から同じ質問を繰り返し、日にちの感覚もあやふやになっていた。男性は空手の有段者。気にいらないことがあると、妻(83)の両手首をあざが残るほど強くつかむこともあったという。

 男性は認知症の進行を遅らせる抗認知症薬を処方されたが、興奮状態がひどくなったこともあった。翌夏から、強い興奮などに対しての抗精神病薬をのみ始めると、落ち着きを取り戻した。一方で歩幅が狭まったり、大声が出なかったりするなどの症状も出始めた。

 歩き方をみて転倒を心配した大澤さんは先月、家族に抗精神病薬の中断を提案。数日間服用をやめたところ男性が食卓をたたくなどしたため、今は一時期の半分の量を夜だけ服用して様子をみている。妻は「今は穏やかなのでこのまま自宅で一緒に過ごしたい」と話す。大澤さんは「家族らが待ったなしの状況になっても、本人が自宅や施設などで過ごし続けられるように支えていくことが重要」と強調する。

 同診療所では、事前に職員が患者の自宅を訪問し、暮らしぶりなどを確認する。初診時はほかの服用薬や治療中の病気や体の痛みなどを調べる。大澤さんは「本人の動作や表情だけでなく、付き添いの家族の表情も見ながら話を聞き、薬の効果と副作用を見極めていくことに尽きる」と語る。

 医療機関と連携する調剤薬局の役割も重要だ。日常的に連絡を取り合う薬剤師の門下鉄也さんは「薬の副作用は、生活に即したわかりやすい言葉に直して伝える」と話す。例えば低血圧の場合、起床時は気をつける、家の中では手すりを使うなど日常生活での具体的な注意点を説明するようにしている。電話での相談も受けており、夜中に対応することもあるという。

 電話で副作用を確認する医療機…

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