【動画】人工林の間伐材を利用したコースターづくり=合田禄撮影
[PR]

 樹齢100年超の吉野杉が伐採される様子は圧巻だった。倒れるときの轟音(ごうおん)、斜面で跳ね上がる幹の動きにも驚いたが、職人の腕にも舌を巻いた。

 「いまオレンジ色のヘルメットをかぶった人が立っている場所に倒します」。山主から森林を預かって管理する「山守」のカクキチ木材商店12代目、下西洋三さん(37)は事前に倒す方向を具体的に示した。伐採後、大木が横たわったのはまさに、その人が立っていた場所だった。

 山守の職人は高さ30メートルを超す大木でも10センチ単位で倒す方向を決められるという。人工林が育ってきた年月とともに、林業の技術も引き継がれ、磨かれてきた。

 500年の歴史がある吉野林業。その年月の長さを実感することは他にもあった。奈良県川上村で伐採現場の取材をする前、カクキチ木材商店の11代目、下西昭昌さん(73)に話をきいた。洋三さんの父親だ。

 昭昌さんは自宅から、林業の基礎図面となった地図を持ってきてくれていた。机に広げた大きな和紙には「明治十貮(二)年」と記されている。138年前に描かれたことになる。吉野川の支流につながる尾根や谷の地図と、山林所有者が水彩で色分けされていた。

 測量した山守の名前もあった。…

有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。

初月無料につき月初のお申し込みがお得

980円で月300本まで読めるシンプルコースはこちら

関連ニュース