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 フランス大統領選の決選投票が7日にあり、欧州連合(EU)の統合深化を進める立場をとるエマニュエル・マクロン前経済相(39)が当選を決めた。反EUを掲げた右翼・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン氏(48)を退けた。

 仏内務省の集計(開票率86%)によると、マクロン氏の得票は64・4%、ルペン氏は35・6%だった。

 マクロン氏は7日夜(日本時間8日未明)、パリ・ルーブル美術館入り口の「ピラミッド」前で演説し、「自由、平等、友愛の理念のもとに、国民に仕える」と宣言した。また、社会に分断と怒りが広がっていることを踏まえて、「国民を結集し、和解と連帯をもたらしたい」と力を込めた。ルペン氏は投票締め切りからほどなく、支持者の前に現れ、敗北を認めた。

 39歳での当選は、ドゴール氏によって大統領の権限が強められた1958年からの現体制で最年少の大統領就任となる。74年に就任したジスカールデスタン大統領の48歳(当時)より9歳若い。既存の2大政党以外からの大統領誕生も初めてだ。

 マクロン氏は、エリート養成の国立行政学院(ENA)を卒業後、高級官僚や投資銀行での勤務を経験。オランド大統領の側近として大統領府に入った後、経済相を務めた。FNの伸長や既存の2大政党への批判の高まりに対して、「右でも左でもない」との立場から独自の政治運動「前進」を立ち上げて立候補した。

 親EUの立場で、ユーロ圏の議会や予算をつくると訴えたほか、社会の多様性を重視しており、反EU、反移民のルペン氏との違いを強調。「国民を守る欧州のもとで強いフランスをつくる」と支持を求めた。

 経済政策では、競争を歓迎したうえで、労組、企業の双方に配慮する姿勢をとった。

 金融市場では、反EUのルペン氏が当選したら大混乱が起きると予測されていた。マクロン氏の勝利で、市場は落ちついた推移になりそうだ。

 ただ、経済のグローバル化に苦しめられていると感じる国民には、「新自由主義的だ」「弱者の気持ちが理解できない」と受け止められ、拒否感も持たれていた。このため、決選投票を前にして、「ルペンにもマクロンにもノン」という運動もおきた。(パリ=青田秀樹)