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 東京・亀有の住宅地にある「内山菓子店」。店主の内山吉雄さん(90)は、いつも店のシャッターを1枚だけ開けて、客を待っている。

 毎朝9時。店の前をほうきで掃いて、定位置のレジ前の椅子に座る。一息つきながら、思う。

 あのお客さん、今日は来るだろうか――。

 あれは初夏を思わせるような、よく晴れた日だった。シャッター脇の自動販売機の隣に、バッグが一つ置かれていた。

 「お客さんの忘れ物だな」。見…

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