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 東証1部上場企業の2017年3月期決算は、前年比で7年ぶりの減収だが、最終的なもうけを示す純利益は増益の見通しだ。今後発表の企業の見通しなども含めると、過去最高だった15年3月期に次ぐ利益水準の見込み。円高で輸出比率が高い自動車など製造業は利益を減らしたが、建設など非製造業がカバーした。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、10日までに発表した17年3月期決算企業591社(調査対象の45・3%、金融を除く)のデータをまとめた。同じ企業との比較では、売上高は円高や原油価格の下落の影響で前年比2・8%減。純利益は同14・5%増。未発表の企業の見通しなどを含めても減収増益の見通し。純利益は「最高益だった15年3月期に次ぐ規模」(同証券)とみられる。

 好業績なのは非製造業だ。資源価格の下落で前年に多額の損失を出した大手商社など卸売業が回復。また不動産業や、東京五輪を控えて受注が堅調な建設業などで利益を伸ばした。

 一方、製造業は昨秋の米大統領選でトランプ氏が選ばれるまで円高が進んだことが響いた。15年は1ドル=120円前後で推移したのに対し、16年は一時1ドル=100円を割り込むなど円高に。自動車関連を中心に減益が相次いだ。

 17年3月期決算は「アベノミクス」の円安効果がはげ落ちても底堅さを保ったといえそうだ。景気拡大も続いている。だが、消費者の実感は乏しい。企業が人手不足のなかでどう稼ぎ、働き手に還元するのか、問われる局面に入った。(大隈悠)