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 2020年東京五輪・パラリンピックの東京都以外の会場について、小池百合子都知事は11日、500億円とされる仮設施設整備費の負担を原則、地元自治体に求めず、都が全額負担する意向を示した。国や負担に反発する自治体の包囲網に追い込まれた形だ。費用問題は前進しそうだが、7月投開票の都議選に向け、議会にも伝えず巨額の公費支出を打ち出した小池氏への向かい風は強まりそうだ。

 「(費用分担の)大枠が決まるということ。都はホストシティー(開催都市)としての役割を担う」。11日、小池氏は首相官邸で安倍晋三首相に負担方針を伝えた後、記者団に語った。

 東京大会の会場は都内のほか北海道や神奈川など7道県にある。大会後に撤去する客席など仮設施設の整備費を負担するのは、当初は大会組織委員会とされたが、昨年末に地元自治体も含む案に変更され、自治体が強く反発。知事らが連名で負担反対の要請書を出す事態にもなり、小池氏の主導で調整が続いていた。

 小池氏が9日、「今月中に答えを出したい」と話してからわずか2日後の「全額負担」方針。背景には国との主導権争いが浮かぶ。

 会場を抱える神奈川県などの3県知事は決着させない小池氏に業を煮やし、9日、「このままでは大変なことになる」(黒岩祐治・同県知事)などと首相に直訴。首相は丸川珠代五輪担当相に「都の案を待つことなく直ちに調整を」と指示した。

 これに小池氏側は強く反応した。小池氏周辺は「都中心に精査している中、ひどい」。都の主導権を保つためにも決着案を示さざるを得ない局面になった。首相に面会する前日の10日夜、都幹部は漏らした。「知事は、腹をくくった」

 都の負担受け入れは10日夜にあった国、大会組織委員会の幹部らの協議で実質的に合意した。政府関係者は「本来結論を出す場ではなかったが、ここで合意しないと、問題が漂流するところだった」とみる。

 ただ都の負担額は「精査中」(小池氏)で未定だ。都などは対象施設を精査し、大会後も地元で使える施設は仮設ではなく恒久施設扱いにして自治体に負担を相談する方針。民間施設も除外予定で負担額は500億円より減る可能性がある。

 財源も決まっていない。11日の都議会委員会で、都外施設の財源について都幹部は「具体的にはこれから検討」と話した。都は五輪開催のために約3700億円の基金を積んでいるが、使途は条例で定められており、都外の仮設整備費に使えるかは精査が必要という。都議からは、突然の負担表明に「知事の独断だ」との批判も出た。

 五輪経費見直しは、小池氏が昨夏の知事選で掲げ、就任後も最重要テーマとしてきた。だが都立の新設3会場の見直しでは経費約400億円を削減できたものの、会場は元の計画のまま。今回の仮設整備費も舛添要一前知事と組織委などによる「都と組織委が負担」との合意と同様の形になりそうだ。

 「知事就任前の状態に戻っただけ。何のための時間だったのか」。小池氏と対立する自民党都連の幹事長、高島直樹都議は11日、こう小池氏を批判した。

 小池氏は6月23日告示の都議…

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