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 明治安田生命J1リーグは第10節を終了しましたが、首位に鹿島、浦和、ガ大阪、FC東京が続くという、いわゆるビッグクラブが上位に名を連ねる展開になっています。そんな中、今年J1に昇格した札幌、清水、セ大阪がそれぞれ健闘しています。セ大阪は開幕直前にドイツやスペインで活躍した日本代表・清武選手が加入したこともあり、ある程度勝ち点を積み上げていくだろうと予想していましたが、昨年からの戦力をベースに戦う札幌と清水も既に3勝を積み上げています。

 この要因について、私は両チームにいる絶対的エースストライカーの存在があると考えました。札幌は都倉賢選手、清水は鄭大世(チョン・テセ)選手。ともに長身かつ屈強なフォワードであり、味方を鼓舞するパフォーマンスも特徴的な選手です。

 先日、JリーグYBCルヴァンカップで札幌と清水が直接対決したIAIスタジアム日本平を訪れ、両選手に直撃取材を試みました。この日、テセ選手はベンチ外、都倉選手はベンチスタート(86分からの出場)のため、比較的リラックスした状況で話を聞くことができました。私らしく単刀直入に「チームの好成績の最大の要因は都倉(テセ)選手の得点力ですよね?」と尋ねてみたところ、くしくも都倉選手、テセ選手の両者からほぼ同じ返答が戻ってきました。

 都倉「チームコンセプトは無失点を続けること。無失点であることでポゼッションも安定するので、結果自分が得点を挙げる可能性が高まっているんだと思います」

 テセ「得点よりも守備が大事。J2で学んだことは、組織に勝る個はないこと。フィールド上の11人が全てハードワークしたら相手にチャンスを与えないで済む。前半を無得点でしのげれば、後半に得点を挙げる自信があります」

 都倉選手は5点、テセ選手は4点と、得点ランキングでも上位の2人だからこそ、自らの得点能力を自負するようなコメントを期待していたのですが、そんな私の期待はいい意味で裏切られました。

 一見エゴイスティックなまでに直線的にゴールを狙う姿の裏側には、こうしたチームに対する高い献身性がある。そんなことを知ってから、彼らの出場する試合中継では、シュートシーンだけではなく、前線から守備に奔走する姿にも注目するようになりました。

 次節(第11節)は札幌、清水ともホームゲームになります。ぜひスタジアムに足を運んで頂き、自らの目で都倉選手とテセ選手の「ストライカーとしての献身性」にも注目して下さい。

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吉田国夫(よしだ・くにお)

 Jリーグ広報部メディアオフィサー。大学卒業後、放送局勤務、プロ野球球団のフロントスタッフを経て、2009年にJリーグに転職し現在に至る。