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 自身の政務活動費をめぐる報道への抗議のために訪れた朝日放送(大阪市福島区)で、大阪府富田林市議だった左近憲一氏(70)=罰金10万円の略式命令、今月12日付で辞職=が包丁を取り出した事件では、富田林市幹部3人が同席していた。平日の日中、説明補助の立場で「公務」扱いで出張していたという。

■市幹部3人「公務」扱い

 4月21日午後3時過ぎ、朝日放送の玄関ホールで報道局幹部2人が抗議に応対していた。左近氏が「腹を切る」と言い、ジャケットの内ポケットから包丁を取り出した。その手を封じたのは同席した市幹部の一人、松田貴仁・市長公室長(56)だった。警備員が取り押さえ、警察官に引き渡した。

 松田室長によると、事件の10日ほど前、左近氏から電話で「朝日放送に行くねんけど一緒に行けるか」と依頼を受けたという。事前に3人の公務扱いの出張が許可された。左近氏と3人は公用車に一緒に乗り、朝日放送に向かった。松田室長が運転したという。

 抗議の対象は、2015年1月と3月の報道。自身の名前入りの交通安全看板を13年度の政務活動費で作り、公職選挙法違反の疑いを指摘されているなどと実名で報じた。

 交通看板の設置などについての朝日放送の報道番組の録画が今年3月、大阪地裁堺支部で係争中の住民訴訟の証拠として提出され、採用された。訴訟の原告は地元のオンブズマンで、被告は市長。原告側が証拠申請した。左近氏を含め19議員分の10~14年度の政活費で不適切な使用があったとして、計約7千万円を返還させるよう求めている。

 同席した市幹部3人は説明を補足するために同席したと主張。抗議を補助するつもりはなかったという。松田室長は「裁判で訴えられているのは市。状況を正確に説明することは公務性がある」。多田利喜市長も「裁判の証拠となった報道について市も深く知る必要があった。詳しく確認することは公務」と話す。

■「職員の私物化」指摘も

 一方、政活費や地方議会の問題に詳しい全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡弁護士(愛知県弁護士会)は「今回の事件は言論の自由に対する圧力行為。同行させることは職員の私物化だ。市が敗訴した場合、市と議員は利害対立する立場になる可能性を考えれば、議員と同席することは不適切」と批判する。

 地元のオンブズマンは今月1日…

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