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 熊本地震を経験した30代の女性漫画家が、被災当時の食事にまつわるエピソードを軸に描いたエッセー漫画「ひさいめし~熊本より~」が話題になっている。前震後の10日間を柔らかい絵柄で記録。食べ物を分けてもらい、人の温かさに触れた経験や、水やガスがない中で料理する工夫が描かれている。

 作者はウオズミアミさん。熊本市中央区で同世代の女性「デンちゃん」と2人暮らし。昨年4月の地震後、当時飼っていた猫を連れて公園や公民館に避難し、断水した自宅アパートでも生活した。

 作品には、実体験をそのまま描いた。

 本震後、公民館で一夜を過ごした翌朝。見ず知らずの女性が、紙コップに入れたインスタントのみそ汁を分けてくれた。「うそだろう、と思うくらいおいしかった。人の心の温かさがしみました」。避難先の駐車場で出会った男性は、家にあったレトルトのラフテー(沖縄の豚肉料理)を温めて持ってきて、「みんなで分けて食べましょう」と声をかけてくれた。

 余震におびえ、風呂にも入れなかった非日常の中で、温かい食べ物がほっとする気持ちを与えてくれた。「人は大変な状況でもお互いを思いやることができると知り、うれしかった」と振り返る。

 昨年5月、東京の編集者から熊本地震の報道が減っていると聞き、「まだ大変な人がたくさんいるのに忘れられるのは悲しい」と、経験を描いて記録することを決意した。同月末に描き始め、8月からネット上で連載が始まった。ウオズミさんは、こうした食事を「ひさいめし」と呼んで漫画の軸に据えた。

 被災経験で学んだ生活の知恵や…

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