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 J2名古屋のホーム豊田スタジアムに、クラブ史上2番目に多い3万6755人が詰めかけた3日の京都戦。相手FWに田中マルクス闘莉王選手(36)がいた。昨夏、名古屋がJ2降格の危機に陥ったときにブラジルから急きょ来日し、精神的な柱として最後まで戦った。

 熱い姿は健在だった。ゴール前の好機に、仲間が自分にラストパスを出さなかったことに立腹。試合後も大声で京都の選手を問い詰めていた。

 昨季終了後、闘莉王選手は真っ先に戦力外となった。その時、同僚やサポーターから不満がわき起こったことからも、どれだけ慕われていたかが分かる。半年が経っても、それは変わらなかった。

 試合後、名古屋サポーターの元へ駆け寄った闘莉王選手に、この日で一番の拍手が送られた。「温かいですね。正直、自分が出ていきたかったわけではない。グランパスを愛する気持ちは変わらない」

 公私ともに仲の良かったGK楢崎正剛選手(41)は「冷静を装っていたけど、楽しい時間だった」。それを聞いた闘莉王選手も「あっという間に終わってしまった」と名残惜しそうだった。

 昨日の友は今日の敵。サッカー界ではよくある話だが、そこには様々な思いが交錯している。(金島淑華)