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 世界的博物学者の南方熊楠(1867~1941)が誕生して150年になる18日、田辺市はその節目を記念して熊楠に名誉市民の称号を贈り、真砂充敏市長が墓前に報告した。顕彰会などの関係者も墓前に集まり、「知の巨人」と称された偉人をしのんだ。

 田辺湾を望む高台にある南方家の菩提(ぼだい)寺、高山寺(田辺市稲成町)でこの日午前、墓前報告会があった。真砂市長は「貴殿が後半生を一地方都市の田辺で過ごし、当地から全国へ、そして世界に向けて学問的成果とともにいわゆる熊楠思想を発信し続けられたことを誇りと感じる」とメッセージを読み上げた。熊楠が示した守るべき自然や歴史文化が世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣(さんけい)道」の登録につながったとして、感謝の気持ちも披露した。

 顕彰会関係者、熊楠の遠縁者ら約30人も集まって墓に献花し、場所を本堂に移した「熊楠翁を偲(しの)ぶ会」では全員で焼香した。

 熊楠の父親が創業した和歌山市の酒造会社「世界一統」の監査役で、熊楠の弟の孫にあたる南方信雄さん(81)は会の後、取材に対し「節目の年に名誉市民にしていただいたのは非常に光栄」と語り、熊楠の研究を支え、資料保存や顕彰に尽力した熊楠の長女、文枝さん(2000年死去)の名を挙げて、「文枝さんが一番喜んでいると思う」と話した。(東孝司)