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 自然環境保護の象徴的な存在であるオオタカについて、環境省は22日、種の保存法に基づく国内希少野生動物種(希少種)から外す方針を決め、有識者らの小委員会に示した。国民から意見を聴いた上で、8月以降に解除される見通し。

 オオタカは東日本や中部の里山などにすむ体長50センチほどの猛禽(もうきん)類。開発などの影響で1984年には全国で300~480羽まで減ったと推定され、93年に捕獲が原則禁止となる希少種に指定された。その後、個体数が回復、2006年に環境省のレッドリストで絶滅の危険度が「絶滅危惧2類」から「準絶滅危惧」に格下げされていた。08年の推計では5千~9千羽まで増えたという。

 この日の小委員会では、指定解除後も鳥獣保護法で引き続き捕獲や輸出入が規制されると説明。指針を作成し、飼育は自治体などに限ることなどを検討するとした。調査区を設け、生息や繁殖状況を監視するなどし、絶滅のおそれが改めて確認されれば再指定をするという。ただ、オオタカは里山保全運動などの象徴的存在で、自然保護団体は解除で開発が進むことを懸念している。

 日本自然保護協会の辻村千尋・保護室長は「地方ではすでに『オオタカは指定解除されるのか』と建設業者から問い合わせがあると聞く。本来、指定解除は喜ばしいが、環境省の対策にはオオタカが果たしてきた役割を担保する措置への言及がなく、その点では極めて不十分だ」と指摘する。(戸田政考)