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 埼玉県川口市の青木町公園に展示されてきた京浜急行電鉄の「デハ230形236号」が、38年ぶりに「地元」の神奈川へ戻るため、23日に川口から旅立った。老朽化で廃棄寸前だったが、惜しむ声が上がり、京急が引き取った。京急は修復して横浜市内にできる本社に展示する計画だ。

 京急は都内と神奈川県の三浦半島を結ぶ。京急によると、デハ236号は1930(昭和5)年、前身の湘南電気鉄道の車両として運行を始め、78年の廃車まで半世紀近く活躍した。デハ230形は、当時の最新技術を生かした軽くて丈夫な車体、1メートル以上の高い窓が連なる明るい車内が人々に愛されて根強いファンがおり、国内に3両しか残っていないという。

 川口市は79年に譲り受け、教育施設の屋外で展示してきたが、施設が移転し、修復費用もかかるため、廃棄を想定。ファンから惜しむ声があがり、譲渡先を公募したところ、京急が手を上げたという。京急は製造当初の形に戻した上で、2019年秋に横浜・みなとみらい地区にできる本社ビル1階に保管・展示する計画だ。

 車両は23日未明、トレーラーに載せられて川口市を出発。横浜市金沢区の車両の製作所で修復に入る。出発を見届けようと横浜市から駆けつけた会社員梅津良典さん(51)は「小学生の時、初詣に行く時などにこの車両に乗った。高く開いた窓に細い柱は軽快で、歴史に残る名車両です」と移転を喜んだ。(斎藤智子)