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 名古屋大学病院(名古屋市昭和区)は23日、甲状腺がんの手術翌日に患者が死亡する医療事故があったと発表した。過去にあった同様の死亡事故を受け、手術後の対応を定めた院内ガイドラインがあったが、徹底されていなかった。石黒直樹病院長は「組織として教訓が生かされていないのは全く情けなく、本当に申し訳ない」と陳謝した。

 名大病院によると、患者は三重県在住の20代男性。2015年7月に甲状腺を摘出し、右の頸部(けいぶ)リンパ節を取り除く手術を受けた。

 手術翌日の午前7時ごろ、患者の首に腫れがあると看護師から連絡を受け、執刀医とは別の専門医が診察。聴診や触診などで術後の浮腫と判断し、経過観察とした。その際、ガイドラインで挙げている超音波検査や、手術の傷口を一部開けて出血状態を確認するなどの対応をしなかった。

 患者はその約1時間50分後に呼吸困難を訴え、心肺停止。蘇生措置が行われたが死亡した。術後に首の内側で起こった出血で血腫ができ、気道が塞がれたことによる窒息が死因だった。出血部位は分からなかったという。

 名大病院では1983年と06年にも、首の手術後にできた血腫を見落とし患者が死亡。07年にガイドラインをまとめ、関連部署に閲覧を指示していた。しかし、担当科の医師の多くが専門外の医師向けのものと誤解し、読んでいなかったという。名大病院は、手術には問題なかったが、ガイドライン通りに対応していれば防げたとして、医療事故と結論づけた。

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