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 6月8日告示、25日投開票の知事選に立候補を表明している現職の川勝平太知事(68)と新顔の溝口紀子氏(45)による公開討論会が26日夜、三島市一番町の市民文化会館で開かれた。立候補表明後に2人が顔をそろえるのは初めてで、スポーツや人口減少の問題などに約200人が耳を傾けた。討論会は6月5日に浜松市、7日に静岡市でも開かれる。

 日本青年会議所東海地区静岡ブロック協議会の主催で、日詰一幸静岡大教授が司会を務めた。溝口氏が具体的な疑問点をあげ、川勝氏が応じる場面が目立った。

一番の訴えは

 一番訴えたい施策について、川勝氏は「命を守る危機管理、経済発展、人づくりに加えて、世界クラスの地域になっていると実感してもらう」と2期8年の実績を強調した上で、3期目は「総仕上げに取り組む」と意欲を示した。

 溝口氏は「静岡に元気がなくなっている。静岡を元気にする」と指摘。対策には「五つのS」が必要だとして、「笑顔(スマイル)、安全(セキュリティー)、スポーツ、持続可能性(サステナビリティー)、総合的方策(ストラテジー)」を挙げた。市町や国との連携、防災、浜岡原発、東京五輪、教育の課題にも取り組むと述べた。

ベロドローム

 東京五輪・パラリンピックでは、自転車競技の会場となる伊豆ベロドロームの費用負担で意見が割れた。

 溝口氏は「知事は県の独自予算を使うというが、やっていけるのか。五輪の特別予算を都や国から静岡に取り込む方向があるのではないか」とただした。

 川勝氏は「誘致合戦をして、ベロドロームを競技会場にした。相応におもてなしのための経費は負担しないといけない」と語った。

県東部の発展

 県東部の発展について、溝口氏は「文学と武道の施設があってもいい。新富士駅と富士駅の接続も課題だ。沼津の鉄道高架は事業を進めるのが賢明だ」とした。川勝氏は「伊豆地域全体を統括する副知事を置いた。県東部は健康産業の拠点。医薬品・医療品・化粧品の生産は日本一だ。先端農業の研究所を理化学研究所、慶応大と共同運営する」と語った。

人口減少問題

 人口減少問題について溝口氏は「若い女性が働きにくく、生みにくく、育てにくい環境を変えたい」と保育所の待機児童や学童保育不足の解消に意欲を見せた。川勝氏は「県出身の若者が多く進学している大学と提携し、静岡にどんな職があるかという情報を発信していく」と若者のUターンを促す考えを述べた。

 溝口氏が立候補の理由の一つに挙げた「県と市町の関係」も取り上げられた。

 川勝氏は、県内首長と自らの関係を「非常に良い」と強調したうえで、「県と静岡市の関係が敵対的といわれるが、県庁所在地は一つの船に2人の船頭がいるようなもの。静岡市が(県と政令指定都市による)政策調整会議のテーブルにつかない」と説明した。溝口氏は「対話が足りない」と疑問を呈し、「『チーム静岡県』の調整役が知事の役割。多様な意見がある中で、市町の議員にも意見を聞くような姿勢が求められている」と述べた。

 討論会後、溝口氏は「意見をうかがえて誤解が解けた部分もある。待機児童の問題の実感は私の方がある」と語った。川勝氏は「溝口氏と私の意見にあまり違いはなく、なぜ立候補したのか疑問に思った」と話していた。

6月5日は浜松 7日は静岡でも

 公開討論会は、6月5日に浜松市の遠鉄ホール、7日に静岡市の県男女共同参画センターあざれあでも開かれる。ともに午後7時からで、申し込み不要、入場無料。