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 男性向けラブドールの展覧会「今と昔の愛人形」が盛況だ。会場のギャラリー「アツコバルー」(東京・渋谷)には、男性だけでなく、女性も多く訪れる。近年、性をめぐる展示に若い女性の姿が目立つ。性へのまなざしが変わってきたのだろうか。

 「めちゃくちゃきれい」「人間みたい」。展覧会場では、そんな声があちこちで聞かれる。女性グループやカップル、外国人の姿も。ドールと並びスマートフォンで「自撮り」する人もいて、明るい雰囲気だ。千葉県の女性会社員(25)は「エロのために作られたことを忘れて、とにかくかわいい。本物の女性に近いようで遠いから、アート感覚で見られる」と話す。

 主催は業界大手のオリエント工業(東京・上野)。創立40周年を記念して5月20日から6月11日まで開いている。これまでに4千人が訪れ、女性が6割程度。同社のラブドールを使った美術展は昨年も東京・銀座の画廊であり、約8千人の入場者のうち半数が女性だったという。

 今回は、同社草創期のドールから、最新作まで17体が並ぶ。実際にさわれるドールの前には、弾力のある肌や人毛を使った髪のつやを確かめようと人の輪が出来る。近年は、美術系大学出身者らが造形にかかわる。土屋日出夫社長(73)は「ダッチワイフと言われていた時は、変態的に見られていた。イメージをもう少しよくしたいと思っていたら、技術のある造形師も集まってくれて、メイクも人間に近くなるように研究を重ねた。それでも女性にこんなに興味を持ってもらえる時代が来るとは」。

 ラブドールは、写真家の篠山紀信さんも魅了した。展示に先立ち、4月に写真集『LOVE DOLL×SHINOYAMA KISHIN』を出版。ラブドールを生きているように撮った篠山さんは「ものすごい精巧な工芸品。人間と人形、虚実見まごう中に、近未来のリアリティーが見えた」と話す。

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