【動画】いちから解説!受動喫煙対策 背景とポイントは
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 他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙をめぐり、政府・与党は5日、防止策を強化する健康増進法改正案の提出を次の国会に先送りする方針を固めた。大幅な会期延長は難しいとの見方が強まる中、自民党と厚生労働省との今国会での調整は日程的に不可能と判断した。2年を見込む周知期間を考えると、2020年の東京五輪・パラリンピックに先立って19年に開催されるラグビーワールドカップに対策が間に合わない事態にもなりかねない。

 厚労省は今国会での成立を目指し、床面積30平方メートル以下のバーやスナック以外は原則屋内禁煙で、喫煙には専用室の設置を必要とする法案を作成。一方、党側は党内の反発に配慮し、すべての飲食店を対象に、一定規模以下の店では「喫煙」などの表示をすることで喫煙ができるようにする妥協案をまとめた。

 塩崎恭久厚労相と茂木敏充政調会長が会談するなど調整を続けていたが、党幹部は5日、「仮に厚労省が自民案を丸のみしても、もうダメだ。次の国会で新しい体制でやればいい」と明言。首相官邸幹部も「党内をまとめる必要がある。もう時間がない」と語った。

 自民案が想定する「一定規模」は、客席100平方メートル以下、厨房(ちゅうぼう)50平方メートル以下で、最大延べ床面積150平方メートル。厚労省案の規制を大きく緩めた内容だ。7月の東京都議選を控え、小池百合子都知事が「子どもを受動喫煙から守るために様々な規制を取っていかなければならない。決められないのは自民党だ」などと激しい批判を展開する中で、「自民案でまとめても『後退した』と言われる」(党幹部)という判断もあり、先送りに傾いた。

 自民案は規制賛成派と慎重派のトップも入った話し合いでまとまったが、賛成派には「従業員の受動喫煙を防げない」、慎重派には「規制はいらない」との意見がくすぶっている。自民案が次の国会に向けた議論で持ち出せるかは不透明だ。党政調幹部は「勢いでやりたかったが、仕切り直してまとまるのか」と述べた。