【動画】待機児童問題をいちから解説!=根本寿彦撮影
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 この春、認可保育施設に入りにくかったまちはどこだったのでしょう。「待機児童ゼロ」と発表していても、認可保育施設に落ちた子どもが数千人いる自治体もあり、様々な理由で待機児童から除かれています。そこで朝日新聞は、申し込んでも入れなかった子どもの数について、ある指標を使って調べ、4つの表にまとめました。クリックすると拡大します。

 今年4月入園をめざして認可保育施設に申し込んだ子どものうち、入園が決まった割合(入園が決まった数÷申込数)を「入園率」として計算したものです。

 まず東京23区を見てみましょう。最も入りにくかったのは港区で、入園率は48.4%。目黒区(50.3%)や渋谷区(51.2%)、台東区(54.1%)など、都心部では軒並み「狭き門」となりました。

 最も入りやすかったのは豊島区(91.9%)です。豊島区は毎年、数園ずつ認可保育施設をつくってきましたが、昨年の春から2年続けて新たに10園ずつ設けました。来年も13園を増やす予定です。

 一方、最も入りにくかった港区がこの春に開いた認可保育施設は1園のみです。都心部では新しい施設の用地を確保することが追いついていないことに加え、保育士が不足していることも子どもの受け入れ枠を増やせない要因となっています。

 東京都内の23区以外は、23区内よりは少し高い水準でした。入園率が低かったのは、小金井市(61.0%)、府中市(62.3%)、日野市(62.8%)の順です。最も高かったのは八王子市の91.22%でした。

 政令指定市で入りにくかったのは、北九州市(67.4%)、岡山市(69.1%)、川崎市(71.0%)の順となりました。新潟市は97.8%で、全国で最も入りやすい都市です。ほかに静岡市(93.3%)や熊本市(90.7%)も9割を超え、高い水準でした。

 ほかの自治体では、沖縄県うるま市(42.5%)、福島市(51.3%)、沖縄県沖縄市(58.1%)が低い水準です。

 今回の調査は、東京23区と政令指定市に加えて、昨年4月時点で待機児童が100人以上いたほかの41市区町の合わせて84市区町を対象にアンケートをしました。入園率に関して回答があったのは72市区町です。

 各自治体は4月入園に向けて申し込んで認可保育施設に入れなかった子どもの数を待機児童として発表しています。ただ、兄や姉と同じ園に入ることを希望して自治体から紹介された認可保育施設に入るのを断ったり、東京都の認証保育所のような認可外でも補助金を受けている施設に入ったりした場合は、待機児童には含まれません。そのため、入りにくさの指標としては、待機児童の数よりも入園率の方が実態に近いものになりそうです。

 待機児童数が今回の調査で最も多い861人だった東京都世田谷区の入園率は69.0%。2番目に多い849人だった岡山市は69.1%でした。

 待機児童数をゼロと発表した自治体でも、東京都千代田区(64.8%)や北九州市(67.4%)は比較的入るのが難しかったようです。

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 ※認可保育施設には、認可保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育、へき地保育などを含みます。(足立朋子、田渕紫織)