親交の深かった黒柳徹子さんから野際陽子さんに宛てた手紙(黒柳さんの所属事務所から)

 大好きだった、そして仲良しだった野際陽子さんへ

 NHKに入ったのが、およそ60年前。あなたはアナウンサー、私は放送劇団。その頃からもう気が合っていて、一緒にフランス語を習ったり、同じお洋服屋さんで、お洋服を作ってもらったり。

 私は、あなたの感覚が、好きだったし、何より正直だった清らかなあなたが好きでした。

 長いことFAXでやりとりしましたね、流れるように美しい字のあなたのFAXは、カタカタと静かに送られてきました。大きくてガタガタの字の私のFAXは、あなたと対照的に、恐らく、ドタドタとお宅に到着したことでしょう。

 いつになったら、あなたが「やすらぎの郷」に沢山出ていらっしゃるかと、楽しみにしていました。あなたが病気で、それどころではない、なんて知らなかったのよ。一緒に芝居をやりましょうとか、よく話しあいましたね。

 野際さん、胸がいっぱいで、悲しく、なんと言ったらいいのか、わかりません。転勤で名古屋でのあなたの個人アパートに泥棒が入った話は、おかしくて「徹子の部屋」だけでも、4回は、して頂きましたね。いやがらずに、よく話して下さったわね。

 この2、3日は、ずっとあなたのことを考えていました。どうしてでしょうね。

 そういえば「死」ぬときのことなんかも、呑気に話しあっていましたね。次に、あなたとお会いしたときに、どんなだったか話しあいましょうね。

 野際さん、あなたのいらっしゃらない、この世界は、寂しいです。本当にお友達がいなくなったようです。

 じゃ、今度お会いするまでね。お友達でいて下さってありがとう。