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 ロンドン西部の24階建ての高層公営住宅で起きた大規模火災で、英メディアは15日、犠牲者の一人はシリア難民の大学生ムハンマド・アルハジャリさん(23)と確認されたと報じた。

 英BBCなどによると、アルハジャリさんは2014年に難民として英国にやってきた。ウェスト・ロンドン大学で土木工学を学び、14階に住んでいた。アルハジャリさんを知るシリアの人権団体によると、アルハジャリさんは出火当時、兄オマルさんと避難を試みたが、途中ではぐれた。部屋に戻って救助を待ちながらシリアの友人と電話で約2時間話し、最後に部屋に火が回ってくると別れを告げ、4年間会っていないシリアの家族への伝言も託したという。オマルさんは無事だった。

 団体は、「ムハンマドさんはシリアの紛争と死を逃れるために危険な旅をして英国にやってきた。安全を求めてこの国に来たが、英国は彼を守れなかった」との声明を出した。

 これまで死者のうち6人の身元が暫定的に確認されている。ロンドン警視庁は15日、遺体収容と身元確認は難航が予想されるとして、「全員の身元は確認できないおそれがある」とした。(ロンドン=渡辺志帆