自民党岸田派に連なる派閥「宏池会」の事務局長を約40年にわたり務めた木村貢(みつぎ)さんが16日、90歳で死去した。党内ハト派を体現してきた宏池会の「生き字引」の訃報(ふほう)に、政界から悼む声が上がっている。

 木村さんは1952年、池田勇人元首相の私設秘書となった後、61年に宏池会事務局長に。大平正芳、宮沢喜一の両首相が誕生した際には、首相秘書官も務めた。2000年に事務局長を退いた後も、顧問として派閥を支えた。

 06年に出版した著書では「私の人生のすべては宏池会とともにあった」と強調。宏池会の分裂について「いつの日かまた宏池会の名のもとに集まって、日本国のために頑張ってもらいたい」と記した。

 現会長の岸田文雄外相は19日、記者団に「宏池会の歴史の中でなくてはならない人だった。私個人の政治生活の中でも大変お世話になった恩人を失い、寂しい限りだ」と語った。

 86年の初当選時から宏池会に所属する当選10回の金子一義・元国土交通相は「木村さんは宏池会の番頭役のような人。私の2回目の選挙の時に、木村さんの指示で加藤紘一さんや河野洋平さんに応援に来てもらった」と振り返った。

 通夜は25日午後6時、葬儀は26日午前10時から東京都品川区西五反田5の32の20の桐ケ谷斎場で。(田嶋慶彦)