【動画】森友学園に強制捜査、背景とポイントをいちから解説
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 国有地を取得して小学校の開校を目指していた学校法人森友学園による国と大阪府の補助金不正受給疑惑をめぐり、大阪地検特捜部は19日、大阪府内の籠池泰典前理事長(64)の自宅や学園事務所などへ家宅捜索に入った。容疑は籠池氏に対する詐欺と補助金適正化法違反で、本人の聴取や押収資料の分析を進める。国会を揺るがせた一連の問題は、強制捜査に発展した。

 小学校の建設にあたり、学園は2015年12月3日の日付で、金額の異なる3通の契約書を作成。国土交通省への補助金申請時には、最も高額の「23億8464万円」で提出し、約5644万円を不正に受給した疑いがある。籠池氏は3通りの金額が「全て正しい」としたが、国会の証人喚問では「刑事訴追を受ける恐れがある」と説明を避けた。特捜部は3月、補助金適正化法違反容疑での告発を受理。契約書作成に関与した設計会社や建設会社の担当者らに任意聴取していた。

 また府は、幼稚園の教員数と、障害のある園児数に応じて交付する補助金計約6200万円を学園側が不正に得た疑いがあるとして、5月に詐欺容疑で告訴した。幼稚園の元PTA会長も、長女が支援の必要な園児として無断で補助金申請されたとして詐欺容疑などで告発していた。

 関係者によると、特捜部は幼稚園の元職員や元園児の保護者にも教員の勤務実態について聴いていた。

 籠池氏は5月、朝日新聞の取材に答え、教員数の問題については「自分の悪かったところは悪かったと認めないかん」と発言。一方、障害のある園児数をめぐる問題については人手不足などの事情を背景に挙げ、「不正というんじゃない」とも述べていた。

 一連の疑惑の発端となった国有地売却問題では、鑑定価格からごみ撤去費8億1900万円が値引きされたことが表面化。小学校の名誉校長に安倍昭恵首相夫人が就任したことも判明した。特捜部は、氏名不詳の財務省近畿財務局職員が国に損害を与えた背任容疑の告発も受理して捜査中。売却にかかわった近畿財務局と国交省大阪航空局職員らに話を聴いた。(畑宗太郎、一色涼)

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 〈森友学園への国有地売却をめぐる疑惑〉 財務省が森友学園に小学校用地として売却した国有地(大阪府豊中市)が、約8億2千万円値引きされていた問題が今年2月に表面化。構想段階の小学校の名誉校長に安倍昭恵首相夫人が就任していたことも判明した。財務省は国会で、学園との交渉記録を「廃棄した」と説明。異例の値引きの経緯は解明されず、野党が求めた昭恵氏の証人喚問も実現していない。大阪地検特捜部は、財務省職員が不当に安く売った背任容疑の告発を受理して捜査しており、会計検査院も検査中。