[PR]

 学校法人「森友学園」(大阪市)の幼稚園が大阪府の補助金を不正受給したとされる事件で、府に専任教員として申請された3割が、勤務実態がないなど補助要件を満たしていなかったとみられることが、関係者への取材でわかった。申請は籠池泰典前理事長が担っていたといい、大阪地検特捜部は、架空名義で補助金を詐取した疑いがあるとみて裏付け捜査をしている。

 籠池氏を詐欺容疑で告訴した大阪府によると、この補助金は私立幼稚園の経営を支える目的で、専任教員数に応じて交付される。2011~16年度の約2億1千万円のうち3442万円が不正だった疑いがある。

 学園が府に提出した申請書類には、6年分の教員として籠池氏とその妻を含む延べ72人と記載してあった。だが、実際は3分の1にあたる25人分は補助の要件に違反していたという。

 このうち14人分は、出勤簿には名前があったが、府が給与台帳や源泉徴収票と照合すると、給与が支払われた実態がなかった。府の調査に現役の職員は「そういう人は知らない」と答えており、架空名義を使った疑いがある。

 また、籠池夫妻は関連する保育園の職員も兼任しており、夫婦だけでさらに計9人分を不正に計上していたとされる。

 府は、補助金を交付した幼稚園に定期的な調査をしている。森友学園では、15年9月に実施したとき、書類の提出を求めても籠池氏が「今はない」と言って応じず、後日に給与台帳のコピーを添えて教員数を13人と申請していた。

 だが、今年2月に学園をめぐる様々な問題が発覚し、府が3月に立ち入り調査をして給与台帳の原本を改めて確認すると、3人がコピーに記載された名前と違った。コピーにある名前の部分は斜めにゆがんでおり、不正の発覚を逃れようと切り貼りした形跡もみつかったという。

 学園は障害のある園児数に応じた補助金も不正に得ていた疑いがある。特捜部は学園が府から計約6200万円を不正に得た疑いがあるとみて、実態解明を進めている。(坂本純也、金子元希)