教員の長時間労働が問題となる中、松野博一文部科学相は22日、「働き方改革」の案をまとめるよう、諮問機関の中央教育審議会に求めた。教員の仕事の範囲や勤務時間の管理方法、給与の仕組み、仕事の効率化などについて議論してもらう。文科省は中教審の議論を踏まえ、年内にも緊急対策を打ち出す方針だ。

 教員は自発性が重視され、仕事の進め方も個人の裁量で大きく変わるため、学校では勤務時間の管理がおろそかになりがちだ。中教審総会で松野氏は「『自主的、自発的判断』によって長時間勤務を行わざるをえない実態をどう改善するか、検討をお願いします」と述べ、改善策を求めた。

 論点の一つは「どこまでが、教員が担うべき仕事か」ということだ。教員と事務職員やスクールカウンセラーとの間の役割分担、部活動における家庭や地域との協力のあり方などについて議論される。文科省の説明では、学校の清掃や部活の指導、家庭訪問を教員の役割としていない英国などと比べ、日本の教員は幅広い仕事を担っている。

 仕事の特殊性を理由に残業代が原則として出ず、基本給の4%に相当する「教職調整額」を代わりに支払う教員の給与の仕組みも、検討対象になる。勤務時間管理の意識を薄れさせる一因と指摘されており、中教審委員からも廃止を求める声が上がった。一方、残業代を導入する場合は新たな財政負担や、勤務時間を管理する方法などが課題で、焦点の一つになりそうだ。

 文科省が昨年実施した調査によると、小学校教諭の勤務時間は平均で平日1日あたり11時間15分、中学校教諭は同11時間32分。小学教諭の3割、中学教諭の6割が「過労死ライン」を超えていた。(根岸拓朗)

■教員の働き方改革の主な論点

・どこまでが教員の担う仕事なのか。事務職員などと、どう役割分担すべきか

・部活動などで学校と家庭、地域の役割分担はどうあるべきか

・勤務時間をどう管理し、管理職の意識改革をどのように進めるべきか

・基本給の4%を払う代わりに、残業代が出ない給与の仕組みを変えるべきかどうか