[PR]

 栃木県日光市の花、ニッコウキスゲの名所の霧降高原キスゲ平園地で23日、地元の住民約50人が種から育てたキスゲ500株を補植した。かつては40万株を誇ったが、1970年代半ばを境にシカの食害で半分以下に激減。だが補植活動などで約24万株にまで回復した。日光で終戦を迎えた世代の人たちも、子どもの頃に見た光景を残したいと活動を続けている。

 この日は朝から青空が広がり、地元の住民たちがスコップ片手に園地へ入った。直径約7センチのラッパ状に咲いたキスゲを先頭に立って植えたのは日光市の阿久津静枝さん、宮本真純(ますみ)さん、森敏夫さん、大島正男さん。旧日光町の日光小の同窓生で、現在は80歳の4人組だ。

 阿久津さんは中学生の頃に女峰山からキスゲ平まで縦走をしていた。当時は終戦直後で、市街地は荒廃していた。だがキスゲ平は自然があふれ、阿久津さんは「ニッコウキスゲの黄色のじゅうたんに癒やされた。心に残っているあの光景を、どうしても後世に残したい」と思い、補植活動に参加してきたという。

 頼りになるリーダー格の森さんは東京出身だったが、戦争で父親が戦地に行き、母と2人で日光市に疎開。そのまま日光市で暮らすことになった。「阿久津さんたちとはずっと一緒にやってきたから」と、活動を共にしている。

 園地のキスゲはまだ一分咲き。来月初旬が見ごろだという。(梶山天(たかし))

こんなニュースも