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 埼玉県が防災ヘリコプターを使った山岳遭難救助を有料化すると決めた。「山ガール」という言葉まで生まれた登山ブームの一方、遭難は後を絶たない。これから夏山最盛期。有料化は是か非か。

 3月の埼玉県議会。最大会派の自民党県議団が、防災ヘリに関する条例の改正案を提出した。県内の山で遭難し、県の防災ヘリに救助された登山者などから「手数料」を徴収するという内容。料金は燃料実費で、県によると1時間あたり5万円程度という。

 「有料化は観光に悪影響」「まずは登山道の整備を」。議会では反対意見が出たが、提案者の県議は「有料化で登山者がより一層周到な準備をし、慎重な行動をとることが期待できる」「登山道はコスト面からどこまで整備すべきか」などと反論。転倒や滑落などの危険が潜む山岳に、自らの意思で赴く登山者の「受益者負担」を強調し、賛成多数で可決された。

 改正案提出のきっかけは2010年7月の事故だ。同県秩父市の山中で救助活動中の防災ヘリが墜落し、乗員5人が死亡した。自民党県議団は当時から、山岳救助は他の救助活動より危険性が高いとして、ヘリ救助の有料化を模索してきたという。

 警察庁によると、16年の山岳遭難者数は2929人で、統計の残る1961年以降2番目に多かった。総務省消防庁によると、全国の消防防災ヘリの出動件数は2015年で1345件。埼玉県内では昨年度、山岳遭難でヘリが21回出動し、12件で実際に救助した。

 条例は来年1月1日に施行され…

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